上海神戸館だより(2002年4月28日)

 

★男女平等

市役所の機構に「男女平等推進室」があることを聞いて中国人が「へー」といった顔をした。推進の必要があるということは男女平等ではないということである。男女平等の看板の国中国には男女平等推進室はない。それどころか女性のほうが強いとの感もある。市内を走るバスの運転手にも女性が多い。2台連結で走るバスは運転も難しかろうが若い女性も若くない女性も何の苦もなく運転している。また、上海で知り合う女性はほとんどの人は家庭で料理をしない。男性がするか男親がするか百歩譲って早く帰ったほうが支度をするのである。ある日、家族ぐるみの付き合いの家庭をたずねたところ、案の定運ばれてくる料理はすべて夫の作。奥さんは運びもせずただずっと座って日本語が話せないのに客のわれわれの相手をしている。この家庭ではごく普通の風景という。「00さん料理ばかり作ってないで一緒にたべよう。」と、わざわざ声をかけないと席につかないくらいご主人は食卓の前にいないのである。腕によりを凝らして作ってくれるのはうれしいが一緒にお酒も飲める人がいたほうがありがたいのだが・・。幾人かの男女双方に奥さんはなんで料理をしないのかを尋ねたところ返ってきた答えは「料理なべは重いので力の強い男のほうが向いている」「女性は他にも家事があるので」「女性も仕事をしているから」とのこと。わが身のことではないので、反論したくなる気持ちを抑えて成る程と相槌を打つばかりでした。町では父娘の親子連れが仲良く歩いているのを時々見かけるが、子供の小さいときから父親が家庭を大事にし、また、料理作りをしてきたおかげなのであろう。親子の会話がないわが家庭を振り返ってうらやましいばかりである。それにしても、上海の町は妻の教育にとっては良くないところである。男女平等推進室はある方がいい。

 [個人的な判断・感覚によっていますので、誤報にご注意ください。]

鳥本敏明